API負荷テスト:システムパフォーマンス向上のカギ
本記事はAPI負荷テストの実践を改善するための貴重な洞察と実用的なガイダンスを提供します。
負荷テストとは?
負荷テストは、通常時およびピーク時の負荷条件下でAPIのパフォーマンスを評価し、その処理能力を測定するものです。主な目的は、APIが最適なパフォーマンスを維持しながら処理可能な最大リクエスト数を特定することにあります。
代表的な負荷テストツール:
- Apache JMeter
- Gatling
- BlazeMeter
- EchoAPI
負荷テストを実施する意義
ユーザー体験の円滑化、キャパシティプランニングの支援、ボトルネックの特定、アップデートの検証など、多様な条件下でのAPIパフォーマンス評価に不可欠です。
- パフォーマンス評価
様々な負荷条件下でのAPI動作を理解し、ビジネス要件を満たすか検証 - キャパシティプランニング
システム負荷分析によるインフラ拡張判断の支援 - ボトルネック特定
パフォーマンス改善のための潜在的問題点の発見 - ユーザー体験保証
安定したAPI利用環境の提供による顧客満足度向上 - 回帰テスト
コード更新が既存パフォーマンスに悪影響を及ぼさないかの検証
負荷テストで監視すべき主要メトリクス
指標 | 説明 |
---|---|
レスポンスタイム | リクエスト処理時間(TTFB含む) |
スループット | 単位時間当たり処理リクエスト数(QPS/RPS) |
エラー率 | 高負荷時のエラー応答割合 |
リソース使用率 | CPU/メモリ/ディスクI/O/ネットワーク帯域の監視 |
同時接続ユーザー数 | システムのスケーラビリティ評価指標 |
EchoAPIで開発段階からAPIパフォーマンスを検証
EchoAPIはAPIデバッグ、設計、負荷テスト、ドキュメンテーション、モックサーバーを統合した総合開発ツールです。単一ツールでインターフェースデバッグと負荷テストを完結できます。
例:1,000同時ユーザーでの負荷テスト実施手順
1. インターフェース作成:curlでインポート
curl -X POST "https://httpbin.org/anything" -H "accept: application/json"


2. テストデータ準備

3. テストデータアップロード

4. パラメータでのデータ参照
{{}}
構文を使用して動的パラメータを設定

5. 負荷テスト設定と結果分析
詳細なレポートでパフォーマンスメトリクスを可視化

テスト実行中

結果レポート

負荷テスト結果算出方法
指標 | 意味 | 算出方法 |
---|---|---|
総リクエスト数 | 送信した総リクエスト数 | 同時ユーザー数 × 実施回数 |
実行時間 | テスト全体の所要時間 | 終了時刻 - 開始時刻 |
成功リクエスト数 | 200ステータスを受信したリクエスト数 | 直接計測 |
失敗リクエスト数 | 非200ステータス/接続エラー数 | 直接計測 |
エラー率 | エラー発生率 | (失敗数 ÷ 総リクエスト数) × 100 |
受信データ総量 | 受信した全データサイズ(バイト) | 全レスポンスの合計サイズ |
秒間リクエスト数 | 1秒当たりの平均処理数 | 総リクエスト数 ÷ 実行時間 |
秒間成功リクエスト数 | 1秒当たりの成功処理数 | 成功数 ÷ 成功処理時間 |
秒間受信データ量 | 1秒当たりの平均受信量 | 受信データ総量 ÷ 実行時間 |
最大レスポンスタイム | 単一リクエストの最長処理時間 | 全リクエスト中の最大値 |
最小レスポンスタイム | 単一リクエストの最短処理時間 | 全リクエスト中の最小値 |
平均レスポンスタイム | リクエスト平均処理時間 | 総処理時間 ÷ 総リクエスト数 |
90パーセンタイル | 上位10%が超える処理時間 | 処理時間を昇順ソート後、90%位置の値 |
まとめ
APIの可用性確保、パフォーマンス最適化、ユーザー体験向上において負荷テストは極めて重要です。適切なテスト戦略の策定、主要メトリクスの重点監視、適切なツールの活用により、開発チームは効率的にパフォーマンスボトルネックを特定・解決し、競争優位性を維持できます。本記事がAPI負荷テストの実践改善に役立つことを願っています。